人
(高校生当時に書いたものです)
過去の我曰く、恋は妥協。
今日の我曰く、恋は生への渇望。
君は、堕したと嘲り笑うだろうか。
だが、君、見給え。
みてくれが上等だろうが違おうが、女を侍らせ顔のあらゆる筋肉を弛緩せしめたるあの青年こそ、生の体現者そのものではないか。
今日は右手に在るおきゃんを抱き、明日は左手の淑女を抱く。
それでいいではないか。
徒労が、鼓動が、酔いが、湿り気が、胸元が、首筋が、汗玉が、一切合切を呑み、荒れ狂い、やがては、悔悟。それで良いではないか。
抱け!老婆も人妻も、みんな抱け。
大いに遊びなさい。大いに飲みなさい。
プラトニックラヴ。それも結構。だが触れぬことには肌の吸いつきも感じられまい。
それは同時に、云々。
やがて天邪鬼は、倨傲も空しく、悩乱、果たして、乳房に吸いつき、刹那、百の歳をとり、死ぬ。
畜生にお成りなさい。
それは他でもなく人間賛歌の徒だ。
君、それでもまだ生きたいかね。
慚愧に堪えない。 2017 11 30追記