残光の落しもの
(高校生当時に書いたものです)
凛然とした空気は、淀みなく、先々まで貫くように見せる。
山々は雄大に展開し、まばらにちぎれる雲はもはや白くはなく、紺色に落ちつき、そのすきまからはその奥に広がる虹色の空がのぞく。
この虹は、雨上がりに架かるものとは一味違い、十以上にも色をのせている。
見上げる角度には藤色、目線を空になぞらせ落としていくと、絵の具に水を落としたように、ぽっとかわいらしく薄まり、そして、目線を上下に動かすというよりは、半球体の内側の天井を見送るようになめてゆくと、白けた水色のその先で、漸々と茜と混じっていき、最後には暗ったくにごり、そして山にかえってゆく。
まるで絵画か写真芸術の世界にふらりと迷いこんでしまったようで、うっとりとなるが、その中で意識を取りもどした瞬間ごとに夜の気配が強まるその儚さは、やはりここは現実なのだと思わせる、悲しくもいじらしい一本の糸である。
H26 12 7
単純に下手。 2017 11 30 追記