比戸隣 善葦の引き出し

私、比戸隣 善葦(ひととなり よしあし)が趣味で書いた小説を公開するブログです。作品は全てフィクションなので悪しからず。

未来

(高校生当時に書いたものです)

 

 

今日で十七になった。

これまでの年月、それどころか昨日のことさえ、白くモヤがかかっているようで、

「本当はそれらは一切合切全く夢だ」

と言われれば、納得してしまうかもしれない。

 

まだ、若い。先日風邪をひいた。

ほんの気のせいかもしれぬ症状が、刻々と蔓延し、立ち歩くことさえ辛く、ついに臥床した。

もしかして、このまま良くなることなんてないんじゃないかしらと、不安になる。

 

せきはしばらく残ったが、三日目にはずいぶん楽になった。

 

まだ、若い。

しかしいずれ、老う。

今が健康であればあるほど、この先が怖い。

体が痛くなるだろうか。立ち上がるとくらりとなるだろうか。

 

稼ぐこと、歳をとること。

全く普遍的な恐怖に、この青二才は滑稽にうろたえている。